悪夢の朝

カメが三匹に増えた。
オリジナルのカメより一回り小さいカメは、平べったい。太ったパンケーキリクガメみたい。それより更に一回り小さいカメはテニスボールのように丸く、黄色かった。
パンケーキとテニスボールは散り散りに逃げた。パンケーキは太っているのに動きが早い。腹甲を擦りながら這って逃げていく。逃げ足の遅いテニスボールは目の端に置いたまま、パンケーキを追う。パンケーキを持ち上げようとすると、背甲がずるりと全部剥けた。脱皮の剥けかたじゃないと思ったが、気にせず背甲を捨てて、パンケーキを抱える。爪で引っかかれて痛い。
テニスボールは大して移動せずに、茂みのなかの大きな蕗の葉の上でもがいていた。近くに空の植木鉢があり、その中から蛇が鎌首を持ち上げていた。蛇はテニスボールを食おうとしていた。蛇がぬるりとテニスボールに近づく。その体はデコボコに歪んでいて、頭は平たく潰れていた。パンケーキを抱えたまま、蛇と対峙した私は勇気を出して蛇の頭を踏んだ。しかし踏み込みは浅く、蛇は私の靴のつま先に噛み付いた。痛くはなかったが、蛇の口から垂れた粘液が気持ち悪く、気分が悪くなった。どうやって蛇を殺すか思案していたら、テニスボールが食われた。あっというまに丸呑みされた。
同じ爬虫類同士の真剣勝負。俺が手を出すのはアンフェアだと思い、テニスボールを見殺しにした。本心を言えば、カメを三匹も飼うの大変だから、一匹くらいいいやと思った。蛇の閉じかけた口から見えるテニスボールの顔が、なんとも後味の悪い印象。
オリジナルのカメが見当たらないが、どこだっけ。部屋にいるんだっけ。

ひどい夢を見て目覚める朝六時。カメはいつもどおり日光浴中であった。おはよう。
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by disgust | 2011-06-14 06:46 | 亀甲談
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