人気ブログランキング | 話題のタグを見る

裸漢の審美

畜生、寒い。
こうなったらスーパー銭湯行ってやる!ってあんまり頻繁に通うと新鮮味がなくなるのでやめた。なぜにスーパー銭湯の新鮮味を重んじるかといえば、あそこは異世界だからだ。たまに行くからおもしろい。月に一度か二度ほどがよろしい。

サウナにテレビが設置してあるのだが、チャンネルは固定されている。野球があるときは野球、相撲があるときは相撲。一般的なサウナ・エイジの好みを想定しているのだろう。で、サウナ・エイジの好みそうな番組がないときは適当に4チャンだったりして、あるときはアンパンマンだった。裸の壮夫たちが汗だくになってアンパンマンを見ている世界。尋常じゃない。女風呂では何が放送されているのか、はなはだ興味深い。

風呂に浸かっていて、目に入るものといえば湯けむりと粗末な観葉植物くらいで、あとはひたすら壮夫の裸のみ。
男の顔が履歴書なら、裸は伝記である。特に尻と腹に、その男の歴史を見ることができる。これは好みによるが、私は尻も腹もプリッとしているのが好きだ。生業で養った筋肉を酒と怠惰で培った脂肪で覆い、日焼けと内臓疾患で赤黒くなった肌をサウナと水風呂で磨いて初めて完成するプリリンな太鼓腹とオブ・ジョイトイな尻。ほれぼれする。
シワが寄っている肌はアウトなのですか?という質問が出るまえに親切に答えてやるが、そうではない。がんばったダイエットの証と見るもよし、現場を退いて衰えてしまった筋肉の名残と見てもよし。以前銭湯で見た老人は、まるで切腹でもしたかのような横一文字の手術痕を腹に残していた。その手術痕に寄った腹のシワは私に「生きてるぜ」と笑いかけたように見えた。

忘れられない男の裸といえば、ハーヴェイ・カイテル。
「バッド・ルーテナント/刑事とドラッグとキリスト」という映画で比類なき男の伝記を披露されている。その裸、もはや神話。婦女子は見ただけで妊娠し、男子は菊門に言い知れない恐怖を感じるだろう。この映画の一番の見所はカイテルさんの裸であるが、もうひとつ見逃せないのがカイテルさんがかいてるシーン。路上でかきまくり。「カイテルさんがかいてる」というのは「ハル・ベリーがキャット・ウーマンを演じる」みたいなものだ。うまく言えないが、数寄者にとっては夢のめぐり合わせ、奇跡のジョイント企画。いつか「ハーヴェイ・カイテルの全身金粉マラソン」を見たいが、願いは叶うだろうか。裸漢の審美_a0016459_804294.gif
名前
URL
削除用パスワード
by disgust | 2004-11-11 03:57 | 雑記 | Comments(0)