2009年 01月 17日
チェ 28歳の革命
真摯にチェ・ゲバラを描こうとした熱意がよく伝わる。劇中のゲバラは敵を憎悪して叫ぶでもなく、戦いに勝利して泣くわけでもない。事実そうであったように、静かに穏やかに、そして頑固にまっすぐ戦った。誇張や嘘が全然ない。音楽で盛り上げるとか、観客の感情に訴えるような芝居もない。娯楽性はゼロだ。
チェ・ゲバラの実像に迫るという目的は果たされているだろう。もうちょっと演出してもよかったと思うが、アクション映画になってたらゲンナリだ。これでいい。
監督と俳優の自己満足映画といえるが、ここまで私心ない自己満足はめずらしい。
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追記
後編の「チェ 39歳の手紙」を見た。
「私は神を信じないが、人間を信じている。」という台詞が象徴的。
ボリビア人に理解を示し、妥協し、譲歩する。たとえば部下の略奪に目をつぶるとか、景気のいい嘘をつくとか。ただ現状に不満があるという理由だけで、革命に参加する民衆が多いのだから、そういう人心操作があって普通だと思うのだけど。しなかったんだねえ。
by disgust
| 2009-01-17 02:50
| 映画とか本とか
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