阿呆の日が暮れる

カメを部屋に放す。
いつものことだが、畳んである布団によじ登り始めた。落ちる。また登る。それを幾度か繰り返す。そのボディで飛べると思うか。いいかげん学べよ。その間、至る所に小便をする。ひどい嫌がらせだ。私は拭いて回る。私は読書などしてカメをネグレクトする。カメも窓の外を眺めたりして、私をネグレクトする。冷えた関係。読書に飽いて、手枕で眠ろうとすると、カメは私の尻の下に潜ってくる。前足の爪が容赦なく臀部に刺さる。痛いから、やめて。どっか潜りたいのか。ほれ、毛布をやろう。うむ、確かに雑巾化したタオルだが。しかしこれがお前の毛布だ。爬虫類とはそういうものだ。身分をわきまえろ。そして寝ろ。俺はコンビニにポリンキーを買いに行く。ついてくるなよ。

ポリンキーポリンキー♪おいしさの秘密はね
教えてあげないよっ。ガチャ。ただいま。
おかえりって言え。薄目を開けてチラッと見てまた寝るな。むかつく。
ふふふ。サクサクだな、ポリンキー。おい、ポリンキー食うか。うまいぞ。カメの鼻っ面にポリンキーを一欠け差し出す。臭いを嗅いだが、食わなかった。つまらん奴。ポリンキー粉のついた指先を差し出してみる。臭いを嗅ぐまではポリンキーと同じリアクションだったが、その後が違った。「ふんっ」と首を左右に振って、いやいやをした。ニコチン臭い俺の指に、ポリンキー粉をまぶした香り。それは、「いやいや」か。その仕草ちょっと可愛いな。もう一回やれ。ほれ。おほほ、可愛い。
あ。指に鼻汁ついた。
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by disgust | 2005-02-06 03:37 | 亀甲談
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