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髷(まげ)は相撲の華、なんてことを言いまして。
大銀杏は見た目だけを考えた飾りのようにも見えるが、違う。あのボリューム感たっぷりのヘアスタイルには深い意味がある。
土俵は土を踏み固めたもので、とても硬い。しかも柵がないので土俵下によく転落する。髷は頭部の衝撃を吸収する役目があるのだ。つまり、髷は相撲の華であり、命を守るものでもある。
と、相撲の本で読んだ。

今日の琴ノ若・安美錦戦は投げの打ち合いとなり、琴ノ若は顔面から落ち、安美錦は頭頂部から落ちた。スローで見ると、安美錦の頭は真っ逆さまに土俵に刺さっている。軍配は安美錦だったが、物言いがついて琴ノ若の勝ちになった。スローで見ると、安美錦の髷が先に落ちているのがわかる。

こういうとき、力士の髷を結う床山さんは、控え室でドキッとするらしい。
髷が敗因になったことではなく、髷の乱れに気を揉むそうだ。物言いの結果によっては取り直しということもあり、そのときに髷が乱れて、頭部が露出していてはヘルメットの役を為さない。大銀杏の形は崩れても、頭部を保護する機能が失われてはいないかどうかを、控え室のテレビで確認するそうな。

安美錦は頭頂部から落ちて敗れたが、スタスタと歩いて帰った。
怪我さえなければ、明日がある。

ホロリと泣かせる名著。おすすめです。
床山と横綱―支度部屋での大相撲五十年
文庫版改題
大相撲支度部屋―床山の見た横綱たち
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by disgust | 2005-05-17 01:52 | 映画とか本とか | Comments(0)