妖怪ばさばさ

深夜にコンビニへ。街灯のない真っ暗な道を歩きながら「闇だね」と独り言。
人間は本能的に闇を怖れるというね。文明の進歩とは闇を照らすこと、なのかね。しかし闇に目を凝らす行為というのは、創造的だね。天狗も妖怪も、闇が濃ければ見えるだろうね。うむうむ。
闇についてうんぬん考えていたら、すこし怖くなって早足。

遠くの街灯の下に人が一人立っていた。
つばの広い黒い帽子を被った身なりのいいご婦人。歩くでもなく、犬の散歩中でもなく、ただ立っていた。
昼の明るい時間帯なら。誰か他に人がいたなら。闇について考えたりしなかったら。きっと普通に通り過ぎていただろうが、暗い夜道をひとりで闇の恐怖について考えていた矢先だったので、すごく怖かった。「なに?売春?痴呆?」と余計な空想をしながら、目をあわさぬように早足でご婦人の前を通る。街灯の下を過ぎて、視界の後ろにご婦人が消えると軽くパニックになって、サンダルでバタバタ走った。

帰り道、街灯の下にご婦人はいなかった。しかし街灯の奥には小道があり、その奥でなにかが動いていた。ばさばさと音がする。立ち止まって目を凝らすと、それは最前のご婦人であった。彼女は街灯から少し離れたところで、なぜかはわからないが、全身をグネグネして踊っていた。もう完全にパニックになった私は猛ダッシュで家に帰った。家につくと全身が冷たい汗で濡れていた。

闇だ。闇が怖いのだ。ただ体操をしてただけかもしれないし、酔っ払っていたのかもしれない。でも今度深夜にコンビニに行くときは原チャリを使うことにする。
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by disgust | 2005-07-27 21:02 | 雑記
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